食品衛生講演会「改正食品衛生法に基づく政省令案について」開催報告
改正食品衛生法に基づき、HACCP、営業許可・届出、リコールなどの具体的な制度の詳細について検討が進められているなか、その中心としてご活躍されている道野審議官をお招きし、政省令案の内容をいち早くお届けしました。 また、HACCP先進国であるアメリカやニュージーランドから、この講演会のためにビデオレターをいただき、中小規模の事業者へのHACCP導入支援やCodexにおける検討状況、HACCP導入の具体的な事例について講演をいただきました。 食品関係事業者等多くの方々にご参加いただき、質疑応答では活発に様々な意見をいただき、より理解の深まる内容となりました。
開催場所 参加者
東京会場:令和元年7月26日(金) 日本教育会館/一ツ橋ホール 約250名
1.改正食品衛生法に基づく政省令案について
厚生労働省 医薬・生活衛生局
農林水産省 大臣官房審議官 道野 英司
制度の詳細についての検討状況について、具体的な検討の経過も含めてご説明、ご紹介いただきました。
- 営業許可の見直しに係る新たな業種について
- 輸入食品へのHACCP制度化、衛生証明書
- 営業許可・リコール等の電子申請システム 等
2.米国等でのHACCPの取り組み
米国Food and Drug Administration(FDA)及び
ニュージーランドMinistry of Primary Industries(MPI)からのメッセージ等
解説:山口大学共同獣医学部 教授 豊福 肇
FDA Senior Advisor Jenny Scott氏、MPI Principal Adviser Judi Lee氏が当講演会のために撮影していただいたビデオや資料を放映し、両国におけるHACCP導入の支援の方策等について、豊福教授に解説いただきました。
また、現在検討が進められているCodexのHACCPガイドライン改正の検討状況についても解説をいただきました。
3.HACCP導入事例の紹介~中小事業者のニーズへの対応~
有限会社食品環境研究センター 取締役 新蔵 登喜男
これまでの講師の豊富な経験や失敗事例などをもとに、中小規模事業者におけるHACCP導入のポイントや導入の進め方について、具体的で丁寧にご説明いただきました 。
4.質疑応答
様々なご意見をいただき、より理解の深まる内容となりました。
主な質問
- 輸送等事業者もHACCPに沿った衛生管理の対象になるのか?一般的な衛生管理の実施の必要性は?
- と畜場、食鳥処理場におけるHACCPでO157やカンピロバクターなどのハザードに対して、基準や目標などが参酌基準として示されるのか?
- 一般的な衛生管理に手洗いが規定されている。今後、温湯などが義務化されるのか。
- 一般的な衛生管理について既にマニュアルを作成して実施しているが、示されたような分類になっておらず、まとめた形になっているが基準のとおりに分類して記録しなければならないのか。
- 複合型そうざい製造業、複合型冷凍食品製造業について、少し前までは統合型であったが名称を変更した理由は?
- スーパー等で野菜を扱う場合、野菜果物の販売業の届出は必要か。焼き芋などを販売する場合は簡易な飲食店営業の許可が必要か。
- 給食施設においては、手引書が作成されていない。現在、大量調理施設衛生管理マニュアルを実施しているが、HACCP導入にあたってはどうすればよいのか。
- 弁当について、そうざい製造業なのか飲食営業なのか?
- 自主回収については、顧客が特定できる場合でも、報告の義務はあるのか。
- 食品衛生申請システムについて、事業者が自ら申請することになるのか、代理申請については可能になるのか
- 届出業種について、施設基準を自治体が示すことは出来るのか。
フォトレポート
農林水産省 大臣官房審議官
道野 英司 氏
豊福 肇 氏
新蔵 登喜男 氏