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食中毒菌などの話

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寄生虫による食中毒

私たちを取り巻く自然界にはさまざまな動物が生息し、それぞれ固有の寄生虫を持っています。それらの寄生虫がヒトの身体に取り込まれた時、本来の宿主と異なるため、体内を移行したり、強い異物反応を起こしたりします。  

微生物による食中毒と異なり、食品中で増えたり、患者間でうつったりすることはありませんが、不要な苦痛は避けることができれば幸いです。

1.アニサキス

特徴

クジラや海獣類が本来の宿主です。
かつては寒流域の魚類に寄生していることが多かったのですが、気候温暖化の影響でカツオ等を原因とする健康被害も増えています。
サバ、サケ、アジ、イカ、イワシ、サンマ、タラ、カツオなどに取り込まれた虫卵は幼虫となって、魚の内臓漿膜面で静止しています。魚等が死んで、鮮度が落ちてくると内臓漿膜面から筋肉に移動します。体長2~3㎝の太い糸状の線虫で、漿膜面でとぐろを巻いている状態を目で見ることができますが、筋肉に移動すると、見つけるのは容易ではありません。
-20℃24~48時間の冷凍で死滅しますので、魚介の生食の安全を確保するには凍結処理も有効です。

潜伏時間・症状等

アニサキスが寄生した生魚を食べてから、通常は、2~8時間後に起きます(胃アニサキス症)。まれに10時間以上過ぎてから起きます(腸アニサキス症)。
胃アニサキス症では虫体の胃壁穿孔によって、激しい腹痛、悪心、嘔吐を起こします(胃アニサキス症)。腸アニサキス症では腹膜炎を起こすこともあります。

予防法

  1. 魚を丸で購入する時は、鮮度のいいものを購入し、できる限り早く内臓を取り除きます。さらに、料理する時によく見てアニサキスの幼虫を取り除きます(ただし全て取り除くことは困難です)。
  2. 加熱は、アニサキスを死滅させますので有効な予防法です。
  3. 冷凍処理(-20℃以下で24時間以上)でアニサキスは死滅します。
  4. 普通の料理で使用する量の塩、酢、わさびなどではアニサキスは死にません。
  5. 魚の内臓を生食するのは、危険ですのでおやめください。

2.クドア・セプテンプンクタータ

特徴

粘液胞子虫(クドア属)の一種類で、ヒラメ・マグロ・エビ・カンパチ等の筋肉に寄生します。虫体は非常に小さく、肉眼では見ることはできません。大量に筋肉中に寄生していると人に症状を起こします。クドアによる食中毒の発生は、冬から春に少なく夏場に多い傾向があります。

潜伏時間・症状等

原因となる食品(ヒラメの生食(刺身等))を食べてから数時間(早い場合は1時間)と比較的短い時間を経て起こります。 激しい嘔吐と下痢を起こします。一過性のため症状が長く続くことはありません。

3.その他の寄生虫(ザルコシスティス・フェアリー、旋毛虫など)

人に害を与える寄生虫は、上記以外にも多種あり、食品媒介寄生虫として知られています。
この中には、症状が重いなど、今後は寄生虫の感染事例が増加すると思われる種類があり、特に、注意が必要です。一般的な予防のポイントとしては、次のような点に注意して下さい。

  1. 哺乳動物とヒトには共通する病原体・寄生虫が多くあります。獣肉の生食は避けることが基本です。
     例:馬:ザルコシスティス・フェアリー
       豚その他野生獣肉:旋毛虫、有鉤条虫、トキソプラズマ原虫等
       牛:無鉤条虫、肝蛭
  2. 加熱は、一番有効な予防方法です。加熱は、中心温度75℃1分間以上で十分に加熱して下さい。
  3. 冷凍処理により、殺すことのできる種類の寄生虫もあります。しかし、旋毛虫では長期低温でも生残し、冷凍した野生獣肉(クマ、イノシシ等)によって重篤な被害が出ています。
    また、凍結しても病原微生物は殺滅できません。ヒトと動物間の感染症の中には致死的なものもありますので、繰り返しになりますが、獣肉の生食は避けることが基本です。
  4. 魚の内臓や内臓周辺には、寄生虫が多く寄生しています。内臓の生食を避けると共に、内臓はできる限り早く魚から取り除いてください。
  5. 手指、食材はよく洗浄し、使用した調理器具(包丁・まな板、ザル、ふきん等)や調理台は、洗浄・清拭して下さい。

関連リンク

厚生労働省ホームページ(生食用生鮮食品による原因不明有症事例について)

農林水産省ホームページ(寄生虫による食中毒に気をつけましょう)